陥落に際してのドラマ

ついにというか、この人が落ちるとニュースになる棋士が、

トップリーグにあたるA級から陥落し、次期はB1級での戦い

でA級復帰を目指すことになります。

A級保持していないと名人戦への挑戦資格が手に入らないた

め、一流の証のように位置づけられています。

なんか、最近は竜王戦の方が名人戦より格上みたいなこと

言われているようですが、棋士と言えば名人戦でいいよ・・・

 

パソコンを駆使したデータ管理の時代からパソコンそのも

のを研究に駆使する時代の中で、51歳という年齢は頭脳型

スポーツの瞬発力に置いて行かれてる、あの羽生でさえ、

という印象を強く持ちました。

 

他の名人のようにフリークラス転出を選ぶかどうかについ

ては、まだ決まっていません、とのことでした。

谷川センセがうまいこと風よけになってくれていますが、

(谷川名人は現在B2)どうなんでしょうね。

羽生のコメントは、生で聞かないと微妙なイントネーショ

ンだったり表情を読まないと発した言葉とニュアンスずれ

ることありますので、後日の正式コメントを待つしかない

です。

 

個人的には、もうボロボロになって、新人の4段に負けて、

感想戦もしないで「ハイおしまい」とやめていったひふみ

を真似してもらいたくない以外は、どうでもいいです。

 

間違いなく、彼の名前を冠する時代は、決して短くない期

間、棋界に存在していました。彼を目指して、ものすごい

数の才能が跳ね返され、それでも立ち上がってくらいつい

ていって、将棋の深さをより深いものにさせていたあの頃

の将棋界は、アナログとデジタルのちょうど端境期にあっ

たのでしょう。

 

将棋をギャンブルからプロスポーツにした功績は、ひとつ

上世代の谷川センセでいいと思いますので、将棋道の研究

みたいなところにひっぱりあげた世代の象徴として、これ

からもずっと彼の名前は残っていくんではないでしょうか。